「は!?」
次の日の放課後。
先生の言葉に呆然とする。
「いや、だからさ〜菅原今日日直じゃん。もう一人の日直が休みなわけだし、みんな帰っちゃったし?一人でこの雑用を手伝って欲しいわけなんだけど」
その雑用とは、資料室に大量の資料を運ぶというものだった。
「ひ、一人でこの量って何分かかると…!私今日は用事があるんです!」
「そんな事言わないでさぁ、頼むよ」
頼み事を断れないタチの私は、一瞬で終わらせる覚悟でその雑用を引き受けた。
「早くしなきゃ…」
雑用が終わる頃には、時計の針はもう四時前を指していた。
私は全力で河川敷まで走った。
ここまで何かのために、全力で走ったことはあっただろうか。
「お願い…間に合って…!」
息を切らせながら河川敷についた時、腕時計の長針はもう二の所を指していた。
四時十分。
着いた頃には、もう恭介の姿はなかった。
「…ごめんなさい…」
明日、絶対謝ろう。
雨が降っても槍が降っても、絶対に河川敷に行こう。
そう思って、その日は家の方へ向かった。
でも、
それから何日経っても、
何ヶ月経っても、
河川敷で恭介の姿を見ることは無かった。