『私の周りにいる元占い師の幽霊がね、ほたるちゃんの運気が下がっているって言うの』


 ふと、何週間前の奏の言葉を思い出した。
 僕はこの言葉を聞いても、何の危機感も抱かなかった。……でも、今は、とてつもなく、嫌なことが起きようとしている気がする。


 なんでだろう。
 もう、ほたるとは会えないような気がする。


――僕の最悪の予感は当たってしまった。

 その日、ほたるは、部屋に戻ってこなかった。
 ほたるが僕を身に着けることはもう無かった。

 ほたるにはもう会えないのかな。一体どうしてしまったの? 
 どうして君は、この部屋に戻ってこないの。

 石ころの僕は誰にも聞くことができない。ひっそりとこの部屋で、待つことしか出来ない。