「どの学年も同じ日に配られるのかー。それにしても、今日はなんだか元気がないね? どうした?」


 陽咲は、心配そうにほたるの顔をのぞきこんだ。一つしか学年が違わないのに、陽咲はほたるよりもだいぶ背が高い。駆は二人よりも三歩ほど先を歩いていて、二人の会話を聞いていないようだ。


「そうかなぁ。ほたるはいつもと変わらないよ?」

「そっか。じゃあ、私の気のせいだったか!」


 陽咲はニコっと笑って、ほたるに他の話題を振った。その笑顔は、大げさかもしれないけど、太陽みたいに明るい。いつも、ほたるの曇った心を照らしてくれるのは彼女だった。