タクシーはやがて自宅に到着し、サナを中へと招き入れ2階の和室に案内した。
そこは依然には祖母が使っていたのだが亡くなってからは遺品整理をしたのちにまったく使わなくなり今では物置部屋と化していた。

『とりあえずしばらくはこの部屋を使ってくれ。明日母さんがサナの家から服とか必要なもの持ってきてくれるから。』

サナはこくりと頷くと部屋に入っては中を見渡す。
中は俺の画材道具や祖母が生前描いていた絵などが置かれていて、あとは机と布団くらいなものだった。

『お腹は減ってないか? なにか適当に作るけど・・・』

『大丈夫。』

そうサナは窓際に座り込んで窓の外をぼーっと眺めだしたので俺は静かに部屋を立ち去った。



突然の双子の弟の死、しかもそれを母親からは自分のせいにされ彼女は今どんな心境なのだろうか。
悲しみに沈んでいるのか。それとも怒りか。