ルイの遺体は一時的に安置室に運ばれることとなった。
俺らは別の部屋へと連れていかれ中に入るとキャップ帽を深く被った小柄な人物がソファーに座っていた。
ゆっくりとこちらへ振り返るとその顔はさきほどまで病室のベッドに横になっていたルイと瓜二つだった。
『ルイ・・・?』
驚きのあまり俺はその場から動けなかった。
『康介は初めて会うわよね。こちらサナちゃん。ルイくんの双子の妹さんなの。』
『双子!?』
サナと呼ばれたその子は俺に会釈した。
すると真理子叔母さんがサナの元に足を向けるとサナを立たせていきなりその頬に平手打ちした。
『真理子!』
慌てて母さんがサナを庇うように前に立ち、俺は真理子叔母さんの両手を後ろから押さえて壁際に寄せた。
『離して!! サナ!!あんたルイになにしたのよ!! なんで屋上なんかに・・・なんで!! なんであんたじゃなくてルイが・・・ルイを、ルイを返してよ!!』
真理子叔母さんはその場に泣き崩れた。
サナは頬を抑えてただただ俯いていた。