「てか、あいつに認めて貰えてたっけ?」


褒められた事なんて1度も.....ない。


それどころか何時もいつも上から目線!


俺が追いつけないと諦めたのもあるけど...

それ以上に、何かオーラがあった。



勝つ事を諦めていた

バレー以外だってなんでも出来た

なんにも追いつけない


「いや、別に認めて貰えなくても」


「どうかした?大紀くん」


「いや!なんも」


「そう?暇そうだね」


「まーなっ!ってもみんなの凄さ分かった気がする」


「そうなの?」


ま、瑠翔と雅人は普段の練習違うから、どんな感じなのか知らねーし。

笠原と真盛が相変わらず凄いことも改めて実感した。


もちろん、先輩達だってすごい!!


「お、暇そうな大紀だ」


「ひでーな!さっきのスパイク凄かったぞ」


「まじ、サンキュー」


「中野くんも凄いね!あの兄貴について行ってるんだもん」


「分かる!」


軟米先輩は合わせるの上手いけど、そうじゃない!


その人のいい所をちゃんと引き出せているって感じだな〜!


「あいつの実力は相当だよ」


「それは前から知ってるってーの」


「やっぱり凄いっ!兄貴っ!」


「憧れが近くに居るっていいな」


「そうかな?でも、近くに居ればいる程、超えられなくて悔しいよ」



“近くに居ればいる程、超えられなくて悔しいよ”


それは俺への言葉みたいだった。

心にグサリと刺さったみたいに.....