久しぶりにかなり足首を痛めた。


けど、ここで試合を終わらせたくなった。


「どこ痛めた?」


「足首ですね。でも、大したことないです」


「本当に?」


……!!!!


拓人先輩の威圧が。


かなり怒ってるように見える。


これは本当の事を言わないと、離してもらえない。


「えーっと、座ってれば痛みはないです」


「立つと痛いんだね?」


「はい……」


拓人先輩は本当にチームメイトよく見てる。


そして、他人のことでも、自分のことのように心配してくれる。


俺は今まで、そういう先輩には出会った事がなかった。


いい先輩をもったものだな。


「監督呼んできました」


「赤松、どこを痛めた?」


「足首です」


「鎌切、赤松にテーピングしてくれ。今野、赤松の変わりに試合に入ってくれ」


「はいっ」


いや。


拓人先輩だけじゃない。


このチームは皆、心配してくれる。