「涼夏!!走っちゃだめよ!!!!!」

後ろからお母さんの声がした。

嫌だよお母さん…

止めないで…

今伝えなかったらきっと後悔する…

でも…どんなに頑張っても、追いつかなくて…

私は疲れと、堪えきれない涙と苦しさで…

その場に泣き崩れた………

「渚…渚…好き…だよ……行かないで……」

そう…この言葉が伝えたかったんだ…

でも、もう…伝わらない…

「渚…渚……」

突然、渚が乗った車が速度を落とす音が聞こえた。

すると……渚が車から身を乗り出していた。

「涼夏!!!!!!!!!!」

えっ…………??

驚いた。

渚が私の名前をしっかり呼んだのは、初めてだった…

でも…

それ以上に…車のことの方が…

「涼夏、ありがとな!!!!!」

「えっ…??」

「俺…涼夏が大好きだよ!!!!!」

ッ!?……

「きっと迎えに行く!!だから…待ってて…??」

!!!!!

そう言うと渚は今までに見たことないくらいの…

綺麗な…

太陽のような笑顔を私に向けた……

「渚…渚…!!!!!」

“私も大好き” そう言いたいのに…

言葉が出なかった…