「あー緊張するー」
デート当日、朝の10時半集合予定。
待ち合わせの時間より少し早めに着いた私。落ち着かず、その場をウロウロしてばかり。
「……デートなんて初めてだし、慣れてないからだよ」
なんて、独り言も言いながら。
あの日から昨日まで、藤山とラインでデートの日程を練った。と言っても、どこに何時集合のみしか会話してないけどね。
初デートでここに行ったら失敗する!なんて雑誌で勉強までしちゃった私、無駄な知識を頭に詰め込んだ。
って、このデートを成功させようとしてるようなものじゃん。
…………また考える、このまま藤山と付き合ってていいのかな、と。
「おーい」
すると、隣から私へ話しかけている声が聞こえた。すぐさま隣を見る。
「君、この仕事キョーミない?」
知らんおじさんから話しかけられていた。おじさんが持っている紙には……
「キョーミないです」