「同時に私の綱引きのことも忘れてたんだね」
「い、一華ちゃんごめん!そんなつもりは」
「いいよ。なんとか仲直り?したみたいだし」
一華ちゃんの言葉に大きく頷く。綱引きは青団は負けてしまった、とのことだ。
「それに写真取れてよかったじゃん」
「へへ、なんか嬉しいんだよね〜。それにほら、藤山の体操服借りちゃった」
ちょっと大きめの藤山の体操服。左胸に『藤山』の文字。その文字を見るだけで……口角が上がっている自分がいる。
「お似合いじゃん」
「え!?私にはこの体操服大きいと思うんだけどっ」
ヤバイ、夏休み太ったかな!?
「いや、そういう意味じゃないんだけど……まぁいっか」
一華ちゃんが呟いたけど、深く考えず太ってしまったことしか頭にはなかった。
「あ、圭吾くんが出てる」
「本当だっ。見なくては!」
圭吾くんは、ムカデ競争に出ていた。5人組の先頭にいる彼は、スタートするもすぐに転けて立ち上がってもまたみんなで転けて。次の走者につなぐ時には校庭の砂だらけになっていた。