さっき、藤山の元から逃げ出した後、水道近くで立ち止まった私と一華ちゃん。


その後運悪く、その場で遊んでいた男子のおかげで、水道の水+泥水が私の体操服にぶっ飛んだ。それで、私達を追ってきた藤山がその光景を目の当たりにして、今の状況に至るわけだ。



「はぁ……」


カッコ悪いなぁ、私。


小さなため息をつきながら、藤山の体操服に身を包む。


「……いい匂い」


ほんのり香る柔軟剤の香りが憂鬱な心を癒す。


ここを出たら藤山と会わなきゃいけない。でもさ、さっき勝手に怒ったから気まずいんだよ。


こういう時に一華ちゃんは綱引きがあるからって、先に行っちゃってるし。


……仕方ないっか。


ガラッ


保健室のドアを開けると、保健室前のイスに学ラン姿のままの藤山が座っていた。


「あ、着替えた?」


「うん。やっぱデカイや」


「そんだけあまりが小さいんだよ」


む。