必死に探すもなかなか藤山は分からず。容姿を見てあれかな?って思った人はブサ男だし、みんな同じような感じだし。でも、藤山は下で支えてそうだから、支えている人を見て……


「ピーッ」

そんなこんなしているうちに騎馬戦は終わった。


「……最後まで分かんなかった」


「同じく。藤山、無念」


さ、さぁて、次は何の種目かな。






「何あれ!!」


それは昼食後の応援合戦の時だった。私はある光景を見て、思わず声を上げてしまった。


「ねぇっ、圭吾くんっ、あれ藤山だよね?」


隣にいた圭吾くんの肩を叩きながら尋ねる。


「どうみても藤山だな。いつもと雰囲気違っていいな」


私達の目線の先にいるのは、ワックスで前髪を立てて学ランを着ていた藤山だった。


うわ、何あれダメだよ。


「ちょ、天木。藤山に見とれてる場合じゃねぇよ。俺達も出番なんだから行くぞ」


「う、うん」