朝。
目が覚めてすぐ、ケータイの画面を見ると藤山からのラインが来ていた。
【友達追加よろしく】
「……夢じゃないんだ」
起き上がって、頬をつまんで再確認。うん、やっぱり夢じゃない。
「あ、登録してなかった」
のそのそと藤山をラインのお友達追加へ。
昨日は学校から一目散に帰ってきて、お風呂に入ってご飯を食べたら、バイトが終わった一華ちゃんに電話をして、一方的な藤山トークを繰り広げた。
それで、疲れ切ってそのまま寝ちゃったから携帯なんて見なかったのだ。
「返事するべき?」
藤山のラインのアイコンを眺めながら呟く。藤山のアイコンは初期設定のまま。
「……今更だし、いっか」
そんなことを思いながら学校へ行く準備を始めた。
「まりりーん」
「一華ちゃんっ」
学校に着き、一華ちゃんとハイタッチをしておはようの挨拶。
「この度はおめでとうございます」
「いや、私も展開についていけていないのですが、事が収まるまで藤山と仲良くしてみます」