ばれないかな?と心配になりつつ提出したのだが、思いのほか欠席する人が多かったみたいで、私たちは多数いる中の一人ということであっさり受理されたのだ。
決行は、明日。
「念のため、保護者緊急連絡先の電話番号はお互いの携帯の電話番号になってるから、いつ学校からかかってきても保護者のふりできるように、学校の電話番号は登録しておこう」
「さすが、一紀」
「だろ?」
二人が話で盛り上がっている横で、私は気分が乗らなかった。
「優花どうしたの?元気ないね」
「あ、ううん。なんでもないよ」
「本当に?」
菜子が心配そうに眉毛を下げて私の顔を覗く。
「あ、そういえば」
一紀がそう言って、おもむろに持ってきたリュックの中から一枚の封筒を取り出して、私に差し出した。
「なにこれ?」
「拓から。って言っても、中身は、お前の本当のお母さんからの手紙」
「え!?」
一紀からその手紙を受け取ってじっと見つめた。
消印の住所は私が『彩智』の時に住んでいた町だった。