「あ、宿題?俺もやろう」
 


一紀はそう言うと私の向かいに座り、同じように宿題を広げた。
 


「俺、六番の問題から解くからさ、優花五番までよろしく!後で答え写そう」
 


「おお。頭いいね」
 


「こうしなきゃ、二人でやる意味ないだろ?」
 


「ははっ。そうだね」
 


「だろ?辛いもんでも半分こすれば、ちょっと楽になるもんな」
 


一紀の言う通り、宿題はあっという間に終わった。

冷蔵庫を見ると雄太郎さんが用意してくれただろう夕飯のおかずが入っていて、一紀と二人で半分こして食べた。
 


「雄太郎さんの作る料理ってうまいよね」
 


「だね。家にいれる分、出汁とって時間かけて料理してるからね」
 


「ほぼほぼ専業主婦みたいなもんだよね」
 


「本当にね。私のために色々やってくれてる」
 


そんな話をしていた時、一紀のスマホにLINEの着信が入った。
 


「拓からだ」
 


一紀はスマホを見ながら私に告げた。