「俺の言葉よりも、明らかに優花の言葉に怒ったよね」
「だね……」
「姉ちゃんうざかったよな?もう雄太郎さんの嫁になった気でいるよな?」
「……」
「気にすんなよ。あれが姉ちゃんの本当の姿だ」
一紀の言葉に、心の中に生まれていた罪悪感がちょっぴり薄まったような気がした。
「それにしても急に来ちゃったけど、着替え大丈夫なの?」
「おう。それなら心配なし。こんな時もあろうかと、雄太郎さんの部屋に一式揃ってるから」
「え……?むしろ、一紀の方が雄太郎さんの嫁になった気でいるんじゃないの?」
「俺、うざい?」
「……うざくないよ」
私は、リビングの机の上に宿題を広げながら一紀に言葉を返した。