登校の時間は徒歩で約十分。
家を決める時に高校に近いところにしたから、登校には時間を要さない。
周りで騒ぎながら登校してるその音を消すために、
私はヘッドホンをつけて音を大音量で流す。
多少の音漏れは気にしない。
いつもこんな感じだから。
私のクラスは1-3。
出席番号は女子の中で一番だ。
これだから朝比奈という名字はあまり好きになれない。
私は元から何事も一番になるのが嫌いだった。
いいことなのだろうけど、それは同時に周囲から注目を浴びることになるからだ。
周りの視線が怖い。
周りが何を考えているかわからなくて不安。
私の脳内は、こんなことで埋め尽くされてしまって、
結局は自分が壊れてしまう。