「私を必要としてくれる人はいるのだろうか。」
「私が存在している意味はなんだろうか。」
そんな質問には永遠に答えられないような気がする。
私は毎日まるで戦地へとでも行くような重い足どりで登校する。
いや、私にとっては戦地と言うより地獄かもしれない。
現に今、下駄箱と向き合ってるだけで悪寒がする。
「人殺し」
「地獄に落ちろ」
「死ね」
もう4年間も見ているこの文字たちは慣れているはずなのに吐き気が襲って来る。
この文字達は私の至るところに存在している。
机、椅子、教科書、ノート、上靴。
目に入るものは何でも。
でも私はくじけない。負けないって誓ったから...
「おはよう。」
口の中にジワっと血の味がした時、私にとって神のような人が来た。
「どうした?口から血が出てるぞ。」
「別に...」
少し仏頂面でいわゆるクールと言われている幼なじみで同い年の小崎唯都(ゆいと)は、昔から変わらない。
私への言葉遣い、口調、態度。何も変わっていない。
そんな彼は今、この学校で生徒会副会長として学校をまとめている。
本当は話しかけてくれたことが凄く嬉しい。
もっと話したい。
でもこれじゃあ唯都もやられる。
そう思うと体は勝手に動く。
「おい!どこに行くんだよ!」
「どこだっていいでしょ!ついてこないで」
なんとか罵詈暴言を吐き捨て、その場を去ることができた。
「小崎さん最低!せっかく小崎君が心配してあげたのに!」
そんなクラスメイトの唯都への同情にも耳を傾けず、私は「自分の場所」へと向った。
ホコリっぽいその場所は、私の唯一の居場所だと思う。
「旧図書室」
私は学校の大半をここで過ごす。自主学習をしたり、本を読んだり。
ここにある文字達だけはすべて私に何かを与えてくれる。
私はそんなこの場所が大好きだ。だれにも邪魔されない私だけの世界。
そんな私の世界で不思議な本を見つけたのはつい先日だった。
その日も私は授業をサボり、自分の場所で私の世界にいた。
まるで迷路の様な場所だが、私は、何かに引きずり込まれるようにそれにたどり着いた。
「 」
表紙に何も書かれていないそれは、誰がいつ頃書いたのかさえ教えてくれなかった。
恐る恐る本を開いたが、初めの1ページ以外まるで本が見られるのを拒むかのように開くことが出来なかった。
しかし私はあえて見ようとはしなかった。見れるページを見ようと思った。
そして私は見れるページの間に手紙が挟まっていることに気づいた。
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僕は春稀という者です。突然ですが、これを
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拾ったあなた、僕と文通をしてくれません
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か?ただでとは言いません。1回文通をして
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くだされば、この僕の本を1ページずつ読め
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るようにします。
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もし願いを聞いて頂けるのなら、毎日午前9
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時30分に手紙をこの本に挟んで右の一番奥の2
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段目の棚の右端に置いておいて下さい。
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春稀
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