「じゃあ、行こっか!」


と言った若宮先輩は私の手を握って歩き出した。



いつも手を繋いで帰っているのに今日はすれ違う人の視線が気になって前が向けない。



それに私の顔はきっと茹でだこのように真っ赤だ。
若宮先輩に会って何分もしないうちにこんなにドキドキさせられたらこの先保たないじゃん!



「あれ、手繋ぐの嫌だった?」



「そ、そんなわけないじゃないですか」



「だよね?いつも手繋いでるんだし」



と若宮先輩は意地悪そうに笑った。