図書室に入り、上履きからスリッパに履き替えて近くにある6人掛けのテーブルの真ん中に座っる。



ここは私の特等席。
左のイスにバックを置いて読みかけの本をバックから取り出す。



私が今読んでいるのは、「僕らもいつかそこに」という小説。



男女4人の登場人物が春、夏、秋、冬に分かれてそれぞれ恋だったり将来だったりに悩み、葛藤しながら成長していく青春物語。



「…それ、面白いよね」



急に頭上から声がして顔を上げると、そこに立っていたのは若宮湊先輩だった。