少しして、アキラは戻ってきた。


タオルを首にかけ、髪は濡れいつにも増して色気があり、サクラの鼓動を早める。



「コーヒー飲む?」

「飲む!」

「砂糖入り、ミルク多め。だろ?」

「…そうです」

「ふっ、りょーかい」



笑顔に、キュンと胸は高鳴る。

自分の事をよく分かっているアキラ。

……嬉しい。



数分後、良い香りと共にキッチンから戻ってきたアキラ。


「ほい。…雨、止みそうにねーな」

窓の外を見ると、雨は更に強くなっていた。


「ほんとだね…」

アキラと少しでも長く居れる口実にもなるけど…



サクラが座っていたソファの横にアキラが座り、脚がくっ付く様になり、ドキリとしたサクラ。

一方のアキラも、少し目線を下げると真っ白で華奢な脚が視界に入る。



………目に毒だ。



おまけに、サクラが少し動く度にシャンプーの匂いがして、あれ、俺のシャンプーってこんなに良い匂いだっけ?とさえ思う。



「アキラいつもこのピアスしてるよね。これ可愛くて好き」

無邪気なサクラは、アキラの耳に手を触れる。


アキラは我慢の限界だった。


耳に触れていたサクラの左手首をパシッと掴む。


「っアキラ?」


サクラはキョトンとしている。



「サクラ。年下でも俺だって男なんだから、んな触れられたら我慢出来なくなる」


目の前にべた惚れしてる女が居て、タダでさえ我慢してるのに、そんな風に近付いてきたら気持ちが抑えきれなくなる。


「何を我慢してるの…?」

「エロいこと!」


そっぽを向きながら答えたアキラ。

案の定サクラは真っ赤になる。


同時に、好きな人が自分に触れられてそういう気分になったことが嬉しくもあった。