鏡の前に立ち、恐る恐る首筋を見てみる。 「…っ!!」 牙の刺さった跡が赤く、小さく残っていた。 私は、昔聞いた伝説を思い出した。 ” 満月の夜に、17歳になった女の子はヴァンパイアから血を求められる” …… へたへたとその場にすわりこむ。 昨日の夜を思い出すと、心臓がドキドキ動き出す。 「…最悪…。なんで、私なの…。」 そんな声は、部屋の空気に溶けていった。