...レオside
「…はっ、こいつの血思った通り、すげえ美味い。」
ぐったりとして、気を失った那奈を見下ろしながら言う。
本当は、まだ吸い足りないくらいだ。
”もっともっと”と、こいつの血を体が欲している。
何百年と封印された体が、本能が、こいつを求めていた。
俺は気を失っている那奈を見つめる。
真っ黒の綺麗なロングの髪の毛。大きな瞳。
細くてスラッとした身体。
……そして、極上の血の香り。
瞼の上に、チュッと1つキスを落とす。
「…また、明日も来てやる。」
俺は黒いマントを翻すと、窓から満月の夜空へと飛び込んだ。