私、高田 那奈 17歳の誕生日会も終わり、みんな各自の部屋に行く。
お風呂上がりの私は、ガシガシと頭を拭きながらベッドに飛び込む。
「はあ〜、お腹いっぱい…」
ピコン♪
私は、スマホを取り出して真央からのメッセージを見ようとした。
すると、コンコンと窓を叩く音がした。
え、ここ2階のはず…
一気に血の気が冷めていくのがわかった。
コンコンとまた、叩かれる窓。
私は、そばにあったハエ叩きを持って恐る恐る窓の鍵を開けた。
次の瞬間、
勢いよく、誰かが私の上に倒れこんできた。
「きゃっ…」
「…おっと、静かに。騒ぐなよ。」
叫ぼうとしたら、上に乗ってきた何者かに口を押さえられる。
なになになに!?!?泥棒!?怖い怖い怖い。
恐怖心からか、自然と涙が出てくる。
私は、力づくで私の上に馬乗りになっているやつを突き飛ばした。
「な、な、なに!!?警察呼びますよ!!」
ハエ叩きを、そいつに向けた。
すると、そいつはフッと鼻で笑いこう告げた。
「俺は、ヴァンパイア。お前の血を求めてここに来た。」
「…なっ…!!いやっ…!!」
その、男は私をベッドに押し倒す。
「…っやだっ!!離してっ!!!!」
ジタバタと抵抗する私。
その男は、私の両手首を押さえつける。
すごい強い力…
私は、この力には敵わないと思い抵抗を辞めた。
「…ふん、なかなか素直じゃねぇか。」
私は、その男の顔を睨みつける。
白い肌。長い睫毛に縁取られたぱっちり二重の目。鼻筋の通った鼻。薄いピンク色の唇。茶髪の髪の毛。
一瞬、心を奪われそうになった。
「…俺は、レオ。さっきも言ったが、ヴァンパイアだ。よろしくな、那奈。」
「…は?!なんで、名前知って…んっ!!」
突然、唇を奪われた。
長いキスに頭がクラクラしてきた。
「…お前の血、うまそうだな。」
やっと、顔が離れて息を整えようと思ったら。
レオという男は、私の首筋をペロリと舐める?
「…っ!!やめてっ!!やだ!!!」
これから、私は血を吸われて死ぬのか。
そう、思うと体が勝手に暴れていた。
「…大丈夫って。すぐ良くなるから、な。」
そいつは、暴れる私をよそに私の首筋に噛み付いた。
首筋に、鈍い痛みが走る。
「…っ!痛っ…!!」
ツーっと私の頬を涙が流れる。
レオは、チュッと血が出ているであろう首筋に吸い付く。
「…あっ……」
なんだろう、頭がクラクラしてきた。
レオは、一度顔を上げて私を見つめる。
「…かわいい。」
そして、また私の血を吸い始める。
私はもう、なにがなんだか分からなくなり、だんだん意識が遠のいていった。