私達は近くにあるカフェに入った。
二人ともカフェラテを注文して、しばらく無言でいた。


テーブルにカフェラテが置かれ姫川さんは口を開いた。


「父親の事は知ってるの?」


「いえ何も知りません」


カフェラテを一口飲むと自分が
喉が渇いていたと気がついた。


姫川さんもカップに口をつけると

「姫川亨一郎(きょういちろう)って
 聞いた事ある?」

「いいえ無いです」

「たまにテレビとか新聞なんかに出てるんだけどね」


テレビ?芸能人か何かなのかな。
そう思っていると


「警視総監ってわかるかな?」


「なんとなくは」


「それが君の父親なんだ」


警視総監?警察の一番偉い人だよね…

その人が私の父親?