次の日から、左手でスパイクを打つための練習を始めた。 頭の中で『ユズカ先輩』のフォームを何度も再生する。 あの4番の人、表彰式で名前を知って、そのあとにみんなから『ユズカ』って名前で呼ばれてたから、俺もそう呼んどく。 頭の中の再生映像通りに、鏡の前でフォームのチェック。 利き腕なら簡単にできることが、反対だと面白いほどぎこちない。 (早くなんとか形にしないと、来年の夏に間に合わねー) 1年が長いのか短いのか、とにかくスムーズに腕が振れるように繰り返しフォームチェックした。