中に入ると人は誰もいなくてけん君と私だけだった。
「この映画人気ないのかな?」
「結構前に公開されていて今日が最終らしいよ!人気だったからみんな先にみたんだよ!」
「えー!?そうだったの?!こんなに好きな本の映画があるってこと知らなかったなんて…」
「でも、よかったね!喜んでもらえて嬉しいよ」
「あっ、ありがとう」
「もう人こないのかな?」
「あと、五分はあるよ!くるんじゃないかな?でも、俺たち2人でもよくね?ダメだった?」
ドキ…な、な、なにその笑顔
もう私の顔を赤くさせないで/////
「だっ、ダメじゃないよ!」
「よかった(笑)嫌われたかと思ったよ」
「嫌うなんて…そ、そんなことないよ」
「ありがとな。じゃあ、座ろっ」
「うん、そうだね!」
5分後…
♪♪♪音とともに映画が始まった。
「結局誰もこなかったね!」
けん君は私の耳元で話している。人は誰もいないのにわざわざ声小さくするなんて可愛いな(笑)
「そうだね!」
「うん!」
こんな広い中で2人きりって…
改めて考えると恥ずかしい…
『 私ときみの物語』
まさか、この映画をけん君と見るなんて思ってなかった。この物語のシーンで映画に行くんだよなぁー。それでたしかー。
うわあああぁぁ!あるわけないよねないない!た、たまたまだよね。出会いも映画のことも同じなのは…もしこれが私達の人生に繋がる物語だったら。そ、そんなことないよね。
1人で色々と考えてるとけん君と目があった。けん君は、私の方をみてニコッと微笑んで前を向いた。
はぁー。なんてかっこいんだろう…
ドンッ!
うわぁ。びっくりした。前を見ると物語の男の子…けんた君が主人公の女の子はなみに壁ドンしていてキスをしているシーンだった。
きゃああぁぁ!本ではあんまり迫力感じなかったけど実写版ってすごいんだね。ドキドキしちゃうよ。
今、けん君はどう思ってるのかな?どんな顔をしてるのかな?見たいけど…横を向いて目があったら恥ずかしいからやめとこう。そして、最後は、映画行くんだよね。それでその後告白されて付き合って…映画行く前に学校で壁ドンしてキスまでしたのに付き合ってないっておかしいっていっつも本を読んで思うけど(笑)普通は、壁ドンしてキスをした後に告白するはず?なのにそのまま変わらずの関係ってなんか笑える。
まあ、告白って緊張するんだよね。いや、キスの方が緊張するでしょ!(笑)って思うけどまあいっか(笑)
「けんた、私、けんたのこと大好きだよ!」
「突然なんだよ(笑)俺もはなみのこと大好きだよ」そして映画の終わりのシーンでキス…
いいなぁー。映画の中の2人みたいにあーゆうふうにキスとかしたいな なーんてそんなことを思っているうちに映画は終わっていた。
「はなか、面白かったね」
と、けん君の声。
「うん!だねー」
1人で妄想とか色々してあんまりみていなかったけど…ごめんね!けん君!
「よしっ!じゃあ、でよっか」
私が椅子からたって歩こうとすると
「まって」
けん君に腕を捕まれて引き止められいる。
「えっ?」
けん君の手ってガッチリしていて大人の男の人みたいだな。なんて、思ってる場合じゃない!
「な、な、どうしたの?」
「お、俺さ…」
「う、うん」