驚きのあまり茫然とする白磁に、灰梅は申し訳なさそうにつぶやいた。
「嫌だよ、白磁。次いつ会えるかわからないんだよ?二度と会えないかもしれない…ううん。きっと永遠に会えない…だから、今話したいの!」
離された手を見つめる白磁が彼女の背後の三人を睨んだ。
「…話すだけ?その後はどうするの?まさか、灰梅。オレと離れてあいつらと一緒に行くなんて言わないよね?」
それは質問と言えるかわからなかった。
離別を差す言い方に灰梅は俯いて迷いを示した。
「そ、れは…」
「いいよ、話してきなよ。オレは‶ここで聞いてる”」
「は、白磁も一緒に!」
「オレはいい。嫌いなんだ。華が」
自分否定に近い、恨みのこもったその瞳は今も逸らされることなく三人に向いていた。
「はにゃ~、嫌われてるなー」
やれやれと歌謡いが溜息を吐いた。
「…棘(きょく)様。あの男面倒です。ここは引きませんか」
「はにゃ~?朽葉(くちは)ー、もしかしてビビってる~?なさけない男~」
「黙れ、棘様に何かあっては遅いんだ。あの男かかわると厄介なことになりそうでならない。いくら同族探しの旅と言っても面倒な奴に関わる必要なないだろう」
朽葉と呼ばれた男は歌謡いを睨んだ。
「それとも厄介ごとは全て貴様が引き受けるとでもいうのか?」
「いいよ~べつに~。あたし強いし~。朽葉より~にゃは~」