「美桜、好きなやついるのか?」

「うん

名前もどこに住んでるのかもわからないけどね

唯一わかることは桜の木の下で出会ったってだけ」


といってふふっと私が笑うと彼は少し何かを思い出したかのように


「そうなんだ」

とだけ呟いた



「遥稀くんは和紗ちゃんのこと大切にしてあげてね」

と私がいうと


「俺は、和紗のこと好きじゃねー

あいつのことを利用しただけだから

和紗に悪いと思って最近悩んでたんだ」


「和紗ちゃんも悩んでたよ


桜井くんが話しかけても上の空だったって」