父親の言葉を反芻すると、その言葉の重たさにまた不思議に思う。
直撃取材がダメというのは分かっている。
というか今のこの気分はきっと取材を断られたからじゃない。
そう不思議と確信したように思いながら、カメラを取り出した。
1枚だけの島の写真。
レンズ越しに収められたその写真からしても綺麗な島だというのに、どうしてこんな寂しそうな雰囲気を出しているのかと今になっては不思議に思ってしまう。
一日いるだけでもわかってしまったこの島の雰囲気、そして寂しそうな町並み。
あの家の雰囲気に、島の人の雰囲気に。
何よりもあの一家の雰囲気に俺は異変を感じていた。
どこかよそよそしい娘さんと、寂しさに包まれるような雰囲気を出していた父親。
何が、あるというのだろうか。