二人きりになった部屋は先ほどの沈黙よりも重たい。

立ったままの俺と難しい顔の父親。

もう一度様子を伺うように父親の顔をみると外されていた視線はまたこちらに合わさり、すぐ外れてしまうのかと思えば、眉を深く寄せたまま対面する位置のソファーへと彼女の父親は座る。

けどその視線は相変わらず俺を見ていた。

「座りなさい」

そして立ったままの俺へとそう告げられると情もなく肩が跳ね上がりはい、とすこし甲高い声で返事をしてしまった。

緊張しすぎだとはわかっていてもこの癖を直すようにしないと、なんて思いつつソファーへと足を進めた。