海の波の音にまじり、どこか活気のある人の声が聞こえ空にはカモメが飛んでいる。 まさに常夏の島。 「ありがとうございました」 乗っていた小さな船を降り、年老いた船長に小銭を渡すと目元のシワを寄せてにこやかに頬を緩める。 「こぉこは良い島だよぉ。緑もゆぅたかでねぇ……人も良くてねぇ」 「そうですね、とても良い島だと思います」 「ゆぅくりしていくんやでえな」