伊織はまったく分かってないんだ。
自分が可愛いって事。
いつも、私なんかって言う。


「あの…。」

「ん」

「何が怖いんですか?」



………



「伊織ちゃん!奏多が怖いんだよ!」



伊織は眉を下げた。


「…え…?奏多くんが?そんな事ないですよ。何かの間違いです…。」


…ぅん…。

…可愛い…。


伊織の困ったような、悲しいような顔でそんな事言われたら…。


…うん。ですよね。

…みんなだんまり…


「…え…?私…変な事言っちゃっいましたか?」



「いや…大丈夫だよ。」

俺はそう言って伊織の頭を撫でた。


伊織は…へへへっと照れた顔で俺を見つめる。



…はぁ~…


…無自覚こえぇ~…