今日は午後からバスケ部が体育館を使うから、12時で練習終了。
結局最後まで高遠くんの調子は戻らなくて、本人はイライラからゲンナリに表情が変わっていた。
着替え終わって校門まで歩いて行くと、いつも通り高遠くんが待っててくれてる。
「ごめんね、お待たせ」
(いつも通りいつも通り…)
自分に言い聞かせて声をかければ、若干ぎこちないような気はするけど、ほぼいつも通りの
「大丈夫」
っていう返事が返ってきた。
(でも、ここはあえてツッコもう)
荒療治だと思って…ごめんね高遠くん。
心の中で謝って、一気にまくし立てる。
「そういえば、どうしたの?スパイク全部ふかすとか高遠くんらしくないじゃん。相川くんも桜井くんも心配してたよ」
そして言い終わってから後悔する。
高遠くんの猛烈に冷たい視線を浴びてることに気づいて、背筋が凍る。