インターホンが聞こえないはずないのに、高遠くんのキスと手は止まらない。


「た、高遠くん…誰か…」


誰か来たよ、って言いたかった口は高遠くんのキスで塞がれた。


「別にいいよ」


一瞬唇を離してそう言うと、高遠くんはまた深いキスをしながらセーラー服に手をかけた。



ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン


間髪入れずにインターホンが連続で鳴らされる。

そして

「翔ーー!!いるんだろー!?」

聞き覚えのある声。


「…清水くん…?」


高遠くんの顔がみるみる不機嫌になっていく。


「先輩、服直して。あいつたぶん上がってくる」


珍しく”チッ”て舌打ちして高遠くんは立ち上がった。


「あの野郎…」


そして部屋を出ていった。



その様子をボケっと見てたけど、すぐに我に返って制服の脇ファスナーを閉める。

スカーフをスカーフ留めに通して形を整えた。

そして掛け布団をバサバサっと広げ直して、ベッドの端に座った。


階段からぎゃあぎゃあ言い合う声が聞こえる。

(あー…高遠くん相当キレてるや)

真っ赤になってるだろうほっぺたに両手を当ててクールダウンを試みる。

そのまま深呼吸してると、2人が部屋に入ってきた。