「俺、ゆずが好き」
「え…?」
「だからゆずにも俺のこと好きになってほしいんだよ」
待って、理解できない。
洋平くんが私のことを好き?
だってまだ一緒のクラスになってそんなに経ってないし、洋平くんは優しいけど私のことをからかってる感じだし…。
でもそんなことより、私は高遠くんが…。
「洋平くん、私…」
「これから先のことなんてわかんないじゃん?これからも高遠と付き合っていくかもしれないし、別れるかもしれないじゃん。今は好きでも先のことはわからない。人の感情なんてコロコロ変わるから」
「そんなこと…」
「だから、高遠ばっか見てないで俺のことも見て。それで比べて、どっちか決めてよ」
いつもの軽い感じの言い方じゃない。
洋平はまじめに、真剣に言ってる。
「ゆず、俺のことも真剣に考えて」
頭を優しくポンッとされて、洋平くんは行ってしまった。