修学旅行最後の夜

函館の夜景を見るために、函館山の山頂に来てる。

日が暮れて真っ暗な空に、函館の街の灯りが宝石のようにキラキラ輝いて、息をのむほど綺麗。


(高遠くんに写真送ろう。綺麗に写るといいな)


スマホのカメラアプリを立ち上げて、夜景に向ける。


カシャ


LINEで写真を送るとすぐに既読がついた。

それを確認して高遠くんに電話をかける。



『はい』

「もしもし、高遠くん?写真見てくれた?」

いつもの高遠くんの声が心地よくて、でもいつも通りちょっとドキドキもして、少し早口で喋ってしまう。

『見たよ。めちゃ綺麗』

「でしょ?でも実際は写真よりもっともっと綺麗なんだよ。高遠くんにも見せたいな」


見てるこの景色このまま高遠くんに見せられたらいいのに。

こんな綺麗な夜景、どうしたら高遠くんに伝えられるんだろう。




『いつか一緒にその景色見に行こう』