私は口を開けたままキョトンとなる。
 千聖ちゃんはジッと私の目を見つめる。

 えー…

 ちょっと、ヤバかったかなー?

「ゴメンなさい。私の事を色々と知りたい事があるようですけど」
「うん、まあ」

 千聖ちゃんはピンと立てた人差し指を自分の唇に当てて言った。

「今は何も教えられませんわ」
「今はダメなんだ」
「いずれ、機会があったらお話ししますから」

 ニッコリと微笑む千聖ちゃん。

「ハァ…、分かった」

 素直に聞くしかないか。