イラストはものの数分で完成した。

「こう言った感じ?」

 鉛筆をテーブルに置いた杏奈はスケッチブックの開きページを私の方へと向けた。

 え?

 私は引き寄せられるかのように、視線がページの方に釘付けとなった。

「これだよ、これ! こんな感じだったよー!」
「見せて見せてー!」

 美代子の要望で杏奈はページを私たちの方にも向けてくれた。
 そこに描かれているのは、純白のロングドレスを着たキレイな女性が立ちポーズを決めている構図で、思わず感情移入したくなるぐらいの鮮やか作品である。

「へー、こんな感じー。女神様みたーい」