その日の夜、千聖ちゃんは1人っきりでヒーリングをしていた。
 自己の精神を集中させ、両手をかざすのだ。
 邪念を一切、取り払って意識を両手に向けたままの施しである。
 眠ったままの私の身体に向かって、両方の手のひらから七色の光が放射されるのだ。

「せんし…として…」

 夢を見ている私がブツブツ言った。
 既に、美月千聖の心の中では1つの答えを得る事になった。


 神奈木麗良に…


 決めた…


 この人なら出来る…

 施しを続ける内に私の身体は眩い金色の光に包まれた。