千聖ちゃんは時間を見つけては1人でお見舞いに通うようになった。

 そう…

 得意なヒーリングで私の症状を少しでも和らげるつもりなのだ。
 私が入院している聖アリス病院は千聖ちゃんの父親の知り合いが経営している事を後で知った。
 私が特別個室に入れたのは、千聖ちゃんに対しての理事長自らの計らいによるものだった。

 ココは広い1人部屋。
 だから他人の目を気にせずに堂々と施しが出来るし、私と一緒の時間をゆっくりと共有出来る。
 聖なるヒーラー美月千聖にとっては格好の場所とも言えよう。