「親父が単身赴任してること知ってるか?」
「はい。未歩からチラッと聞きました。」
「未歩が小さかったときからずっとそうなんだ。だから俺は幼いながらも、何があってもお袋と未歩を守らなきゃと思ってきた。」
「はい…」
「未歩も小さかった頃は、お兄ちゃんお兄ちゃんってくっついてきてた。
だけど中学に入ってから、そりゃあ思春期だしな…それが無くなった。」
俺は黙ったまま渉さんの話に耳を傾ける
「それでも守らなきゃと思ってたから、近づいてきた男にもお前みたいに接してきた。だけど未歩には迷惑だったらしいな…」
「…………」
「お前、未歩をずっと守るって約束できるか?」
「え?」