「え?じゃあそこにいるイケメンは誰なの?」

イケメン?そこにいる?

「誰のこと?」

「とぼけないで。そこにいるヲタクで
残念なイケメンのこと。」

「ちょっと待て西宮。」

ヲタク……?残念なイケメン……?

ああ!誠のことね!!

「てゆーか、自分で反応しちゃう辺り……ナルシってヤツっスか?」

私はウィウィ、なんて言いながら誠の横腹を小突く。

すると誠は嫌そうに顔を歪める。

……なんてことはせず。

「ナルシですがなにか?お褒めの言葉を授かり光栄です。」

と真顔で返してきた。

さっちゃん引いてる。

間違いなく引いてるよ。

ついでに言うと私も引いてる。

かなり引いてる。

「……うわぁ。」

「ダメよ奏羽、こんな人見ちゃいけませんっ!」

「はぁい清香おかーさん!」

「待てこら。」

こんなくだらない話をしながら、ゆっくりゆっくり学校へ歩いていると、結構早く家を出たはずでも、到着するのは丁度いい時間帯。