「はっ……」

「っ……ちょっと!何すんの!!」

唇が離され、目の前には誠の顔。

無駄に整ってるのがまたムカつくところ。

「何って……キス?」

「いや分かる!その辺は大丈夫だから!!」

あざとく首をかしげる誠に苛立ちを覚えてしまう。

ふざけんなよ。

「何でしたのかってのを聞いてんのと、ここ通学路ね!言いたいこと分かる!?」

「……さあ。」

「目が泳いでるぞこら。」

あ。

今なら逃げれるんじゃね?

私はキスが出来て満足したのか、抱きしめられる力が少し弱まっていることに気付く。

「シュッ」

「は?」

脱出成功ですぜ旦那。

▼かなは は まこと の うで から にげる こと に せいこう した!!

てってれー

誠に訝しげに見られながらもレベルアップした気分を味わっていると。

「おはよう奏羽。」

「わっ!?」

後ろから肩を叩かれた。