今日と明日。~君といられた奇跡~

なんだか、最近調子が悪い。

クラッとするし、食欲もない。

どうか、してしまったのだろうか。

…でも、頼る人が私にはいない。母は私を産み、死んでしまったからだ。
今は叔母に育ててもらっている…が。

「最近調子が悪いんです。」

なんていって、 心配をかけさせたくない。

…とりあえず、病院にいくか。

「空ちゃん、どこかにいくの?今日は雨が降るから
傘を持っていってね。叔母さんパートに行くから。」

「…はい。少し図書館にいくだけですから、気にしないでください。」

そう、とうなずいて、叔母は洗面所にいく。

嘘ついて、ごめんなさい。
ガタンゴトン。

車内は結構暑くて、子供も汗をかいている…

駅はとても混んでいて、「さすが都会。」とか、田舎発言してしまう。

乗客は皆ハンカチを持っていて、汗を拭いている。

…夏だなぁ。

私の降りる駅は特に混んでいて、空気がまるで濁っている。

すれ違う人は、「暑いね」なんて言葉を掛け合っていて、その様子がよりいっそう暑苦しい。

暑い

暑い

喉も乾き、私は自動販売機によった。

そのときだった。

グラリ…

突然、私の世界が閉じたように。まっくらになってしまった。

それから、どれくらいの時間がたったのだろう。

目を冷ますと、白い天井が見えた。

誰か、助けてくれたの?

「目を冷ましました、先生。305号室、堂本さんです。」

「起きたのか。」

ナースさんが、ナースコールを押すとすぐに先生がきた。

「堂本空さんですね、ここにどうしてきたのか分かりますか?」

横に首をふる。

「いいえ。何故ですか?」

「倒れたんですよ、道中で。」

「倒れたんですか?」

「はい。自動販売機の前で。あんなとこだと、人もあまり通りませんし。発見が遅かったら手遅れかもしれませんでした。」

「…救急車で、ですか?」

「はい、そうですよ。勿論です。貴女が応答しないものだから、通行人の方が焦ってしまったらしく。」

「…そうですか。ありがとうございます。それで…」

「貴女が何故、運ばれたか…何故、倒れたのか…ですね。」
「誠に残念ですが。貴女は如月病です。」

如月病。

聞いたことがなかった。それよりも…

私は病気だったんだ。

なんだか肩の力が抜けてしまって、がくんとした。

「ですが、治りますから、頑張って治療しましょう。」

笑みを浮かべて医師は肩をゆする。

「…はい。」

帰り道、色々なことを考えた。

如月病ってなに?

治るの?

叔母さんに、いつ言おう?

いろんな疑問が頭に浮かんだ。
如月病 とは。

カチカチ。

パソコンで、席につくなりいきなり調べる。

如月病

成人前の女性、30000に一人かかる病。
難病に指定されている。
なお、SA,Sウイルスによって感染し、薬は開発されていない。
なお、発見されたときにはすでに遅いケースがあり、全治は不可能。
また、余命3ヶ月の場合が多い。





見たとき、わたしは絶望した。

難病。

余命3ヶ月。

全治不可能。

なんで、どうして!

如月病と診断されました、12歳女子です。
これは、治りませんか。

如月病に感染しました。
どなたか、なおる方法知りませんか?教えてください!

こんな質問にも、誰も回答していなかった。

けれど、私も知りたいは32、押されていた
叔母さん、私は死ぬんだよ

ごめんね、ママの歳まで生きられないよ

役に立たなくて

ごめんね


心の中でそれを何度も唱えた。ごめんね、役に立たなくて。
叔母さん、新しい人生を歩んでね。

でも実際顔を見て見たら、なんだか心の中でモヤモヤして止まってしまってるんだ。

その笑顔、お母さんは私にしてくれたの?

顔も見たことないお母さん、

助けてよ。

お願い。

私まだ死にたくないよ。
これから私死ぬんだなって思ったらもうやる気がでなくて。

宿題さえも、もうなにもやりたくない。
…まぁ、いつもですけどね?そこはつっこんでっ(。-∀-)

とりあえず、お母さんのお墓参りにいこうかな。
近状報告しなきゃ…

電車で10分の隣町、かすみ町。

そこに母のこじんまりとしたお墓がある。

近くのフラワーショップで母の日のカーネーションを買って、ありがとうのプラカードもつける。

…もうすぐここに入ることになるよ。お母さん。

「お母さん、久しぶり…。聞いてよ、私ね…如月病なんやってさ。大阪弁になっちゃったけど。…行いが悪かったのかな。」

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