重い雰囲気の中、ウェイトレスさんが注文の品を持ってきた。

鉄皿の余熱で焼かれるステーキの音だけが響き渡る。

気まずい。そして何より焼きたてのうちにステーキを食べたい。
 
「ごめんね、変な空気にしちゃって。私、柚希って言うの。今更だけどよろしくね。

重い空気にしたのに気を使った柚希が場を元に戻そうとする。
 
「全然だよ。僕は慶太、よろしく」
 
僕はこの場で最良と判断した満面の笑みで彼女の応対をする。
 
「見慣れない制服だけど慶太くんはどこの高校なの?」
 
僕はようやくありつけたステーキを食べながら話を聞く。
 
「僕、ここの学校じゃないんだ。修学旅行でここに来ているだけ」
 
「そうなんだ。どこから来たの?」
 
「秋田だよ。わかる?」
 
「馬鹿にしないでよ。秋田美人で有名じゃない」
 
「言うほど美人いないけどな」
 
「そんなことないでしょ。佐々木希と加藤夏希、伊藤綾子とかみたいな人がいっぱいいるんでしょう」
 
柚希は子供のように無邪気にキラキラと目を輝かせながら両手いっぱい広げて話す。
 
「そんな人、秋田で一度も見たことない」
 
「現に秋田から美人な芸能人出ているじゃない」
 
「その三人が秋田美人の全てだ。もう秋田美人はみんな上京してしまい絶滅した」
 
「嘘―」
 
そう言いながら柚希はテーブルの上に手を置きながら立ち上がり、プンプンと頬膨らませながら僕の顔を覗く。前屈みになることで緩んだ襟から見える胸元のチラリズムが僕の心を躍らせる。この容姿にしてこの大きさ。これはあのCMでも有名なぷっちんプリンを彷彿とさせるぷるるん具合だ。しかもこれは超ド級ぷっちんプリンBIGだ。それに加えぷっちんプリンにはない滑らかさと口どけ感を感じさせるとろけ~るおっぱいプリンだ。
 
興奮が冷めやらない中、あまりおっぱいを凝視すると柚希に感づかれてしまうためそれとなく視界からおっぱいプリンが外れない程度に視線を逸らす。