海人は、ひまわりの肩を強く抱きしめた。
「じゃ、お母さん達のところへ帰っちゃうの?」
海人は、一回、深呼吸をした。
「違う、たぶん、そうじゃないんだ。
僕は、きっと、あの戦争で、ミサイルを落とされて死んだんだ・・・
死んでしまう直前に、僕は、ここへやって来たんだと思う。
でも、もう限界が近づいてるような気がする。
この頭痛も日に日にひどくなるし、最近はあの戦争のことばかり頭に浮かんでくるし・・・」
海人はひまわりを見るのが怖くて、肩を抱く手に力を込めた。
「一つだけ、これだけは伝えておきたいって思って・・・
もし、僕が突然いなくなってしまっても・・・
心配しないで・・・
僕は何があっても必ずひまわりに会いにくる。
絶対、この時代の誰かに生まれかわって、必ず、ひまわりを見つけるよ・・・」
海人は、涙を堪えるのに必死だった。
「もし、死んでなかったら?」
呆然とした顔でひまわりが聞いた。
「ひまわりが、おじいちゃんになった僕を捜しにきて・・・」
そう言って、海人は無理に笑った。