そして、ひまわりは出店で一人分のかき氷を買ってきて、座っている海人に手渡した。


「いつも一個は食べきれないの。

一緒に食べよう」


ひまわりがそう言うと、海人は先に一口食べてまたひまわりに手渡した。

花火の開始時刻まではまだ時間があった。
海人は、ひまわりがかき氷を食べ終わるのを待ってるような顔をしている。
ひまわりはそんな海人を見ながら少し急いで食べた。


「ひまわり、僕の話を聞いてくれる?」


ひまわりはかき氷を食べすぎたせいなのか、一瞬、背筋が凍りついた。
海人は寒がっているひまわりを見て、ひまわりを自分の方へ引き寄せた。


「話す間、ずっとこうしてるから・・・」


海人は、優しく、ひまわりにそう言った。