丘の方の道を歩いていると、小さな神社の前に人だかりができていた。
道行く人に話しを聞くと、この神社の境内から花火がよく見えるそうだ。

ひまわりは体調の悪い海人のことを考えて、この神社で花火を見ることを提案すると、海人はにっこり笑い「そうしよう」と言った。

長い階段を上り終えると、ひんやりとした風が二人を迎えてくれる。
境内は鬱蒼とした木々に覆われていたが海の見える方向は切り立った崖で、花火を見るにはもってこいだった。

それを知る地元の人達が集まるために、そこにはたくさんの出店が並んでいた。

海人は海が見下ろせる二人が座れるほどの小さなスペースを見つけ、ひまわりをそこに座らせた。

多くの人々は反対側の広場に集まっているせいで、その場所は静かで落ち着くことができた。