海人はサチから借りた浴衣を着て、ひまわりが降りてくるバス停の前で待っていた。

不思議な事に浴衣を着た途端、少し頭痛がとれた気がした。

海人は遅れているバスを待ちながら、今日はひまわりにちゃんと話をしようと心に決めた。

ようやくバスが着いた。
浴衣を身にまとったひまわりは、一番最後に降りてきた。

白地に紫色の花模様の浴衣は、ひまわりにとてもよく似合っていた。
長い髪はゆるやかに束ね後ろで一つにまとめている。
淡いピンク色の髪留めと帯の色が、可愛らしいひまわりをより一層女の子らしく見せていた。

そして、海人は、ただ、ただ、そんなひまわりに見惚れて息をするのも忘れていた。


「海人さん、どう?」


ひまわりは、海人の前でくるりと回ってにっこり笑った。


「すごく、似合ってる・・・

綺麗、可愛いをどんだけ並べても足りないくらい・・・」


ひまわりは本当に目が離せないくらいに、とても魅力的だった。